ママぴよです。前回の続きです。
妊娠38週1日。
朝、目が覚めるとお腹に強い張りがありました。
時間を測ってみると6分間隔。
痛いわけではないけれど、念のため病院に電話すると「受診してください」とのこと。
急遽、病院に向かいました。
土曜日だったので、夫に送ってもらうことができました。
診察の結果、お腹の張りは陣痛だったようで、計画無痛分娩の予定が、予定日より
2週間早く急遽入院となりました。
コロナ禍ではありましたが、少し落ち着いた時期で立ち会いの制限が緩和されていたため、立ち会い出産を希望しました。
産まれる直前に呼ばれるまでは、自宅や駐車場で待機とのことだったため、
夫には一度帰って待機してもらうことになりました。
〜AM11時頃〜
診察が終了。予期せぬ陣痛だったため、
「本当にこの後出産するの? 実感ないよ。まだ心の準備が……」なんて思いながら、
入院棟に案内されました。
私が出産した産院は、LDR室を採用しているところでした。
(※LDR室:陣痛(Labor)・分娩(Delivery)・回復(Recovery)を
同じ部屋で行う施設)
20年以上前に叔母の出産に立ち会った時の産院のイメージが強く残っていたため、
想像していたより遥かに綺麗で明るい部屋に、「今どきの産院はすごいな〜」と
感動しました。
〜11時半頃〜
用意された服に着替えて、ベッドに上がり、お腹に機器を取り付けられて……準備完了。
この時点で、お腹の強い張りと鈍い痛みはありましたが、
それほど「陣痛つらい〜」という感じではありませんでした。
すぐに先生が来て、無痛分娩の処置が始まりました。
背中にカテーテル用の針を刺すため、横向きで膝を抱えるような姿勢をとります。
「針を刺す場所がずれると刺し直しになるので、絶対に動かないように」と
指示されました。
元々、背中に触れられるのが苦手で、
くすぐったくて体をよじりたくなるのを堪えながら、背中を丸めていました。
頑張って耐えていたのですが、針を刺される瞬間の痛みに驚いて、
思わず体をそらしてしまいました。
刺し直しに。
「力まずに、背中を先生の方に押し付けるようにしてみて」とアドバイスを受け、
その通りにしてみたら、案外すんなりと針が入りました。
事前に「無痛分娩のカテーテルは痛い」と聞いていたのですが、
実際に体験した感想としては、「耐えられないほどではないけど、まあまあ痛い」です。
「スタッフが多い方がいいし、今日の夕方までに産んじゃおう!」と先生がおっしゃり、
促進剤を入れて進めていくことになりました。
〜12時頃〜
麻酔も入り、お腹の張りや鈍い痛みもすっかり消えました。
まさに無痛! 本当に無痛です。すごいです。
看護師さんいわく
「個人差はあるけど、リラックスしていると麻酔も効きやすいからね」とのこと。
リラックス大事ですね。
その後はベッド上で産まれてくるのを待つだけ。
ベッド前の壁に掛かっている大きなテレビで「好きなYouTubeを見てね」と
リモコンを渡されました。
無痛分娩とはいえ、もう少し痛みと付き合いながら
「フーフー」するのかと思っていたので、
「そういう感じなの!?」と拍子抜けしてしまいました。
本当にしょうもないんですけど、普段からドラマを見るくらいしか趣味がないので、
何を見ればいいか迷いました。
「私は無痛でも、子どもは頑張って出ようとしてるんだし、出産という大事な時に
何を見るのが正解なんだろう……」と悩みに悩んだ結果、トップページの上の方にあった
松任谷由実のメドレーを選択。
当たり障りないかなと思ったのですが、50代くらいの看護師さんに
「年代、私より上だよ!」とツッコまれました(笑)
〜13時頃〜
看護師さんが様子を見に来てくれました。
松任谷由実のメドレーが流れ続けている中、私が何を見たらいいか困っていたのを察して、
「オススメのアーティストがいるのよ」と動画を検索して流してくれました。
それは ONE OK ROCK(以下ワンオク)。
私もよく知っています。なんならライブにも行きました。
ありがたく、そのまま観させてもらうことにしました。
お腹の方は少し痛みが出てきましたが、伝えると麻酔を追加してくれて、
またすぐに無痛に。
「こんなに楽でいいの?」って感じです。
〜14時20分頃〜
看護師さんが様子を見に来てくれました。
「まだ破水もないし、もう少しかかるかもね〜。先生がこの後見に来るからね」とのこと。
看護師さんはワンオクのライブ映像にノリノリ。
看護師さんが音楽に合わせて手を突き上げた瞬間、
私の体にトラックが当たったような不思議な衝撃が……。
「気のせい?なんだったのかな〜」くらいで済ませてしまいましたが、
後から思えば、あれは破水の感覚でした。看護師さんに伝えるべきでしたね。
せっかくノリノリだったので、邪魔するのも悪いかなと思って言えませんでした。
〜14時半頃〜
先生が見に来てくれました。
下から覗き込んで「!!」という表情。
「破水してるよ!」とのこと。
さっきの衝撃はやっぱり破水でした。
すぐに「旦那さんを呼んで!」とのことだったので、慌てて夫に連絡。
30分前に「まだかかりそう」と連絡していたばかりだったので、旦那も焦ったと思います。
急に部屋の中にスタッフさんが増えて、バタバタし始めました。
私のお腹も、これまでの中で一番の痛みに。
とはいえ、重めの生理痛くらいです。
「ここからもっと痛くなるのかな……」と不安でしたが、再度麻酔を追加してくれて、
すぐに楽になりました。
〜15時半頃〜
あれよあれよという間に出産準備が進み、なんとか夫も到着。
「それじゃあ、いきんでいくよ」と先生の指示で出産開始!
いきんでみたものの、「あれ???」。
麻酔のおかげで痛みが強くない分、どこに力を入れていいのか感覚がないのです。
妊娠後期から、マタニティ関連のリハを行なっている友人にいきみ方のコツを教わっていたので、落ち着いて思い出し、再度いきんでみると、看護師さんが
「上手にいきめてますよ」と声をかけてくれました。
それでやっと、いきみ方がつかめました。
(※いきむ時に腰を浮かせると産道が塞がり赤ちゃんが降りられないので、
腰をしっかりベッドに押し付けて腹圧をかけると良いそうです。)
何度かいきんでも赤ちゃんは出てこず、看護師さんが私のお腹をグッと押して
補助してくれましたが、それでも出ず……。
先生も「なんで出ないんだ?」という雰囲気で、
少し分娩室内の空気が緊張してきたように感じました。
エコーで確認したところ、本来は母体の背中側を向いて生まれてくる赤ちゃんが、
前を向いて首を反らせた姿勢になっていたため、出てこられなかったようです。
急遽、会陰切開+吸引分娩となりました。
(産前からオイルマッサージをして会陰切開を避けたいと思っていたのですが、
バッチリ切られる結果に……)
会陰切開後、
吸引と合わせて3回ほどいきむと、
ついに誕生!
産まれてすぐに、か細く高い声でしっかり泣いてくれました。
赤ちゃんの肌が少し紫がかっていたので不安でしたが、甲高い声で泣いているし、
看護師さんたちも落ち着いて祝福モードだったので、「大丈夫なんだな」と一安心。
出産前にYouTubeで感動して泣くパパママの動画をたくさん見ていましたが、
自分の出産では、感動よりも無事に産まれてくれたことへの安堵のほうが大きかったです。
赤ちゃんと私、それぞれの処置が終わったあと、カンガルーケアをさせてもらいました。
(※カンガルーケア:赤ちゃんをお母さんの胸に抱いてスキンシップをとることで、
呼吸や心拍が安定し、母子の絆が深まるとされるケア)
本当に小さくて、シワシワだけど、すごく温かくて、不思議と愛おしい。
頑張って産まれてきてくれたことに感謝です。
しばらくカンガルーケアを行い、夫と3人で写真を撮ったりして、
穏やかな産後の時間を過ごせました。
2週も早い陣痛で急遽出産となり、しかも吸引分娩。
やっぱり出産って予定通りにはいかないものですね。
でも、無痛分娩でも多少の痛みは覚悟していたので、結果的に穏やかに出産できたという点では、良い意味で
『思ってたんとちがーう!』 でした。
〜追記〜
妊娠中に夫と本を見ながらいきみ逃しの練習などをしていたのですが、残念ながら活躍の場面はありませんでした(笑)
でも、出産の時にそばに居てもらえると本当に安心しますね。
子どもが産まれる瞬間を一緒に迎えられたことが、何よりの宝物です♪
ママぴよ