
退院直後に突きつけられた「黄疸」の現実と、ふわ子との新生活
こんにちは、ママぴよです。前回の続きになります。
今回は、退院間際にふわ子が「新生児黄疸」と診断され、予定していた里帰りを延期せざるを得なくなった時期のお話です。
新生児黄疸とは?退院直前に告げられた検査結果
退院の前日、血液検査でふわ子の TB(総ビリルビン値:Total Bilirubin) が高いことがわかりました。
ビリルビンとは、赤血球が壊れる過程でできる色素のことです。肝臓が未熟な新生児では処理が追いつかず、皮膚や白目が黄色っぽくなる「新生児黄疸」が出やすいのです。
多くの赤ちゃんに一過性で見られる現象とはいえ、数値が基準を超えると「核黄疸」という脳への影響が出るリスクもあり、経過観察が必要になります。
この結果を受けて、予定していた実家への里帰りは延期。急遽、パパビーと3人での生活が始まりました。
退院直後の生活スタート:不安と孤独のはざまで
「親の手を借りられる」と安心していた矢先の予定変更。
パパビーは仕事に出てしまうため、日中は私とふわ子の2人きり。不安が一気に押し寄せます。
新生児の生活は「泣く → オムツ替え → 授乳(母乳+ミルク) → 睡眠」の繰り返し。
外出も許可されていないので、せいぜい窓際での日向ぼっこ程度です。
一見、穏やかな時間のようですが、実際は違います。
目を覚ますたびにギャン泣きされ、抱っこして、授乳しても泣き止まない時は「病気?私の対応が悪い?」と不安のループ。
夕方にはぐったりして、「パパビーさん、早く帰ってきて〜(T . T)」と心の中で叫んでいました。
夜のルーティンと“背中スイッチ”との闘い
パパビーが帰宅すると、なぜかホッとする。
ふわ子をあやしてくれる姿を見て「やっと一緒に子育てしてる」と安心感を覚えました。
夜は3人でベビーバスに入浴。ふわ子の“とろけ顔”に癒されます。
その後は授乳してベビーベッドに寝かせますが、ここで最大の難関が。
寝かしつけて布団に下ろした瞬間にパチッと目を開ける「背中スイッチ」。
神経をすり減らしながら何度も挑戦するうちに、やっと寝かしつけ成功!
その後のわずかな時間が、夫婦の夕飯タイムでした。
■ 背中スイッチって何?
赤ちゃんを抱っこや授乳で寝かしつけて「やっと寝た!」とベッドに下ろした瞬間にギャン泣きする現象を、パパママの間では 「背中スイッチ」 と呼びます。
これは医学用語ではなく育児用語。赤ちゃんの背中が布団に触れた刺激で起きてしまうことが多く、主な理由は以下の通りです。
- 新生児は眠りが浅く(レム睡眠が多い)ため、わずかな刺激でも起きやすい
- 抱っこやママの体温から離れる環境変化に敏感
- モロー反射(原始反射)の影響で、布団に触れた瞬間にビクッと反応して泣く
対策の工夫例
- 完全に熟睡するまで(20分ほど)待ってからベッドへ
- バスタオルごと抱っこして、そのまま下ろして感触を変えない
- おくるみやスリーパーで包み、安心感を保つ
赤ちゃんの「背中スイッチ」は成長とともに徐々に落ち着いていきます。
「うちだけじゃない」と知るだけでも、気持ちがぐっと楽になりますよ。
退院後初めての外出:受診への不安
そして迎えた受診日。
初めて赤ちゃんを連れての外出にドキドキ。
オムツ、着替え、授乳セット、お湯…荷物は大きなバッグいっぱいです。
受診はまだ産婦人科の一角。待合室は成人女性ばかりで、赤ちゃん連れは私だけ。
「泣いたらどうしよう」「オムツ替えはどのタイミング?」と気疲れしました。
看護師さんに呼ばれて新生児診察室へ。母乳量チェック、体重測定、血液検査が手際よく進みます。
- 母乳:少しずつ出るようになっていて安心
- 体重:増加はいまひとつ
- TB値:依然として基準を上回り要観察
5日後に再診となり、その際に改善がなければ 光線療法(光線治療/光線療法:Phototherapy) を行うとの説明がありました。
光線療法とは、特殊な青い光を浴びせてビリルビンを分解し、体外へ排出しやすくする治療法です。入院して24時間体制で行うこともあるため、説明を聞いたときは胸がギュッと締めつけられる思いでした。
初めて知る「子どもを守る責任の重さ」
「元気に産まれてくれれば安心」と思っていた私。
けれど、実際は退院後すぐに“検査数値”に一喜一憂し、不安でいっぱいに。
ふわ子が泣き止まないたびに、私自身も泣きそうになり、里帰りを延期した孤独感に押しつぶされそうになりました。
それでも、パパビーが帰宅して一緒に笑いながら夕飯を食べた時間や、ふわ子の可愛い寝顔が、どれほどの救いになったか計り知れません。
専門補足:新生児黄疸とその経過
新生児黄疸は、生後2〜3日から現れ、通常1〜2週間で自然に消失します。
しかし、母乳性黄疸や病的黄疸の場合は長引くことがあり、注意が必要です。
- 生理的黄疸:ほとんどの新生児にみられる自然な現象。
- 母乳性黄疸:母乳に含まれる成分が影響し、長引く場合がある。
- 病的黄疸:数値が異常に高い場合、光線療法や輸血が必要になることも。
今回のふわ子のケースは「数値はやや高め、要経過観察」。
幸い、その後は大きな治療には至らず、成長とともに改善していきました。
まとめ:退院直後は「試練」と「学び」の連続
退院後わずか2日間で「思っていたより何倍もしんどい!」と痛感しました。
でもその経験を通して、
- 赤ちゃん連れでの外出準備の大変さ
- 背中スイッチとの戦い
- 数値に一喜一憂する親の心理
を初めて学びました。
今振り返ると「大変だったけど、かけがえのない時間」だったのだと実感します。
ママぴよ
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